陽と陰、生と死、善と悪。洋の東西を問わず、古来より人は二元的世界観を拠り所に文明を育んできたと言えるだろう。西洋ではそれを鷲と蛇を対比させた構図で表現することが多く、19世紀にはすでにタトゥーのデザインとしても用いられていた。一説には鷲は太陽や天空、蛇は大地や水の象徴であり、強大な力を持ちながらバランスを保って存在する自然を図案化したものだとも伝えられている。
このように相対するモチーフを組み合わせたデザインをバトルロワイヤルと呼ぶが、ここに東洋を表すドラゴンを加えた構図が非常に高い人気を博している。三者三様にそれぞれを威嚇する様子は躍動感と迫力に溢れており、オールドスクールタトゥーを代表する優れた図案である。
ここに見るのはSWALLOW NEST DESIGN WORK 彫飛呂氏による傑作。みっちりと色が詰められていながら、肌へのダメージに起因する色飛びがないことに注目されたし。また迷いのないラインワークの美しさや破綻のない構成力も特筆に価する。
This idea of duality is captured in many forms and is referred to as a “Battle Royale”. In some instances a dragon is put into the mix to represent an Asian influence. The three battling figures, and the level of dynamic power in one composition has become extremely popular and a perfect example of an old school tattoo designs.
当クライアントの身体は他にも彫飛呂氏の小品で飾られているが、ただクールなだけではなく随所に悪ふざけが見て取れる。それこそがアメリカントラディショナルらしさであり、彫飛呂氏の真骨頂である。